第3章 僕とデートして下さい
「なんなの、あれはっ」
「クリームついてたので」
「普通に教えなさいよ普通にっ!おかげで注目浴びちゃったじゃない!」
「注目ならずっと浴びてましたが?」
「は?」
「並ぶ前から、なんならお嬢様が車から降りた時からずっと。僕たち注目のまとでしたから。」
「………ウソっ、なんでっ?」
「それはわかりかねますが」
…………ハイセね。
認めたくないけど。
存在感、ありすぎるものこの人。
「それはそうとお嬢様」
「え、あ…」
にっこりと笑うとハイセは、壁ドンしていない片方の手からイチゴのクレープを奪うと。
「お嬢様に迫られてるみたいで悪くないのですが」
「は?」
「僕、されるよりする方が好きなんですよね」
「…………は?」
視線が、ハイセに取り上げられたクレープへと釘付けになっている間に。
あたしの視界はいきなり、反転、した。