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愚者の詩 <D.gray-man>

第2章 コノ場所



………
コンッコンッ…

「失礼致します。」

資料や手紙、報告書などの紙という紙が広がった汚部屋に入った途端、敵意や警戒心がむき出しの視線が私に集まる。



──あぁ…鬱陶しい…。



そんなことを思っていると全く感じさせない完璧な姿勢の礼と綺麗な笑みを浮かべて私は言葉を吐く。

「今月の業務報告書です。ご確認よろしくお願い致します。」

「はい。確かに受け取りました、お疲れ様」

この汚部屋の主、コムイ・リー室長は周りの空気をものともせず優しい笑みを浮かべ、私に気を遣う言葉をくれた。



この人はこの建物の中でも数少ない、目に見えて私に敵意を向けてこない人。


──そして、何を考えてるかわからない人…。


「お心遣い感謝致します。では、失礼させていただきます。」


そんな事を思いつつ軽く頭を下げて部屋を出る。
ドアを完全に閉めるその瞬間まで向けられていた周りの視線が無くなったことで緊張の糸が解れ、疲労感が込み上げる。




──疲れた…。


そう思いつつ、いつまでもドアの前に立ってる訳にもいかないので朝食を食べるために私は食堂へ移動し始めた。
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