第2章 お引越し
クリーム色の髪、褐色の肌、鼻に貼られた絆創膏。
(誰……?)
「いつか、俺たちの日本に帰ってきたら、結婚しような。」
そう言って抱きしめられた。
彼は自分より大きくて、数個上だということはわかった。
(誰なの……?子供の頃の記憶…?)
「………ろ……ゼロ!」
(誰かが彼を呼んでる…)
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『ゼロ………?』
そう言って目覚めた時、体は暖かい何かに包まれていた。
抜け出そうとしてもしっかりと包まれて抜け出せない。
目を開けるとそこには安室の姿があった。
『………!?あ、安室さん!?離して!!』
「嫌です。離しません。」
優しい声色とは裏腹に力強く抱き込められ、身動きが取れないみなと。
「思い出してくれましたか?」
思い出す、何を思い出せばいいのかわからない、そう言おうとした時、さっき見た夢を思い出した。
クリーム色の髪、褐色の肌……ゼロ……
『ゼロ……零くん……?』
そうみなとが呟くとみなとを抱く手に更に力が込められた。