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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第12章 取引






「?」


数日後、運良くお店を訪ねてきてくれたエルヴィンさんに、
私はいつものように笑顔を向けたが、彼の様子が少し
おかしかった。

どうしたのだろうか?と思っていると
「先程、パン屋の女将さんから君が落ち込んでいると
聞いて・・・」という返事が返ってきた。

ダリウスさんと同じく女将さんは私とエルヴィンさんを
『恋人』と勘違いしているみたいで、ここへ来る途中
たまたま会った女将さんがエルヴィンさんを捕まえて
「と喧嘩でもしたの?」と尋ねたらしい。

どうやら私は普通に振る舞っているつもりだったが、
女将さんの目からは落ち込んでいるように見えて
しまったようだ。

私の演技がへっぽこなのか、
女将さんの洞察力が凄いのか・・・多分前者だろうが、
エルヴィンさんへ話を持っていきやすくなったので、
どちらでも良い。


「それは災難でしたね。変に疑われてしまった
エルヴィンさんへのお詫びに今日はお昼を
ご馳走しますよ。・・・いつもの屋台広場ですけど」

「・・・いや、そんな気を使わないでいつも通りで
いてほしい。では行こうか」


エルヴィンさんは私の顔をじっと見た後、
いつものように屋台広場へエスコートしてくれた。



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