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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第14章 逃亡先にて





呆気に取られている私を尻目に、他の客はまた
品物の物色を始めたようで「えーと・・・?これ私は
どうしていたら良いの?」とオロオロするしか無い。

少し耳を澄ますと「兵長、彼女はエルヴィン団長と
どういう関係なんですか?」「恋人なんですかね?」と
事情を全く知らない人もいるようで
兵長と呼ばれた黒髪の兵士は面倒臭そうに
「俺も詳しくは知らん。エルヴィンに聞け」と切り捨てる。


いや、恐くて聞けないから聞いてるんじゃないですかー!?
と涙目になっている兵士もいて、何だか少し和んだ。


髭の男性の近くに来たクールビューティーが、
私の顔をマジマジと見つめた後


「ごめんね、バタバタしちゃって。貴女が死んで
しまった事になっていたから、生きていてくれて
良かったと思っているだけなんだ。気分を害さないで
貰えると助かるよ」


というフォローを入れてくれて、私も少し正気に戻る。


「えーと・・・何故、私が死んだ事に・・・?」


恐る恐るそう尋ねるとクールビューティーからは
「それはエルヴィンに聞いて。多分彼から聞いた方が
良いよ」と言われたので、この半年の間一体
どういう事態が発生していたのだろうかと頭を悩ませた。

もしかしてエルヴィンさんが私に接触して来なかったのは、
嫌われていた訳ではなく死んだと思われていたから
なのだろうか?

という事は連絡が上手く取れていなかったのか・・・。


考え事をしていると、兵長さんと呼ばれた黒髪の兵士が
「おい」と声を掛けてきたので、そちらに意識を戻す。




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