第51章 キミの声が聞きたくて1

　寒い……

　もう5月だよ…… ？　

　営業で、外回りしてんだけど……

　和也「57分。（AM 11:57）何食べるかな？」


　ふと、目に付いたラーメン屋

　ｰガラｰ

「いらっしゃいませ……」


　豚骨ネギラーメンを、頼んだんだけどさ……

（旨くねぇ…… 外した）

　午前中いっぱい外回りしてさ、気分をリフレッシュさせる昼食だよ？　

　チェーン店のラーメン店ってこんなもん？　

　な、訳な無いよね？　

　旨いとこは、旨いもん


　"ガチャーン"


「ごめんなさい」


　ぁ、やっちゃった……


「何やってんだ?!　櫻井!」

「すみません……」


　洗い場にいた男の子

　どんぶりを落として割っちゃったみたい……

「まったく!　本当に役に立たないな!　これだから問題起こした奴は……」


　何だよソレ？　男の子…… サクライって呼ばれてた

　サクライくん謝ったじゃんか……


　コイツ店長か何か？　

　すげー態度悪いし

　そういえば、この店に入った時も


『いらっしゃいませ』

　の声、覇気無かったし……


　たかが知れた店な訳だ……


　和也「ご馳走様でした。サクライくん」


　店側から、厨房と洗い場が見える作りで、俺はわざと

　サクライくんにだけ声を掛けたんだけど……

　後ろ向いてた為か、サクライくん聞こえなかったみたい


　店長？　は、すげぇ苦虫を噛み潰したような顔してさ

　曲がりなりにも、サービス業してんだろ？　客に対してその態度って

　どうなんだよ？　

　サクライくんに対しての言葉もムカついて……


　和也「コンビニでパン買おう……」


　結局、半分以上残してしまったラーメン

　サクライくん、一瞬見えた表情がとても哀しそうに見えて


　謝った時の声も小さくて……

　なんか…… 気になる子だな