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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第34章 Twin ray 11


 寝室

 カズ「とても綺麗な寝顔ですね…… ショウ王子…… 私の母上から聞いた物語なのですが、耳元で話しますね?」

 ショウレイ『18年前、私の二つ上の姉ジュンレイは、☆☆国の妃に選ばれました。若い王子と娘は互いに惹かれあった。と同時に、▲▲国の王子もジュンレイを望んでいた。結婚して暫くは穏やかに…… しかし魔の手はすぐそこに。ジュンレイは、産後の肥立ちがあまり良くなくて、亡くなりました…… ジュンレイ自身が望ん事もあり、私が王子様の身の回りを見る事に。その時、私は◇◇国の王子様に嫁ぐ事が決まっていた。私はとても幸せな気分だった。半年後、▲▲の国の王子が、今度こそ私を…… と言って来た。渡さなければ侵略すると。けれど、☆☆国の王子様は、▲▲国の王子の望む条件が、『一度も異性とのを交わりを持っ事た事の無い者』である事に目ををつけて……『私と情を通わせれば、その条件は満たされない事になり、嫁がなくてもよくなる』と。一夜を共にした私は、▲▲国に嫁がなくて良くなった事は、感謝申し上げました。けれどもう、◇◇国の王子様に嫁ぐ事とは出来ないと…… ☆☆国の王子様に支える覚悟を…… いえ、まだ一目もお会いした事のない方よりも、目の前の方に惹かれていると思っていたからこそ、一夜を共に過ごす事を了承したのかもしれません…… しかし、王子様は泣きながら謝られ『ショウレイを愛しているのも真実なら、ジュンレイを愛し続けるのも真実。貴女にはこの国で、世間の目から厳しい目を向けられるよりも、◇◇国の王子に嫁ぎ幸せな人生を送って頂きたい』あの方はご自分が、貴方のお父様に…… そのお覚悟で真実をお伝えになり、どうか私を『受け入れて欲しい』と自ら、◇◇国に出向き頼んで下さいました。貴方のお父様も、懐の深い方です。私を今持って慈しんで下さって。私も心からお慕い申し上げています。本当に感謝しています』

 カズ「ショウ王子? なぜ泣いておられるのです? 貴方という方は…… 妃という立場になる所だったのですよ? そんな事になったら私は…… 全く目の離せないお方だ」

 ふと気づく…… 泣いていらっしゃるショウ王子に……

 その涙は不謹慎ながら美しく見え…… 大きく美しい瞳から流れる涙を唇で……



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