蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第141章 夢でしか逢えない 12
月曜日 某居酒屋
潤『俺が2歳の時に、父さん交通事故で亡くなったの。翔のお母さんは、未婚で翔を…… 母さんと仲の良い姉妹だったみたいで『いつかきっと、二人の生活が何不自由なく出来る体制が整ったら迎えに来る』って約束したらしくって……』
雅紀「ホント俺さ、あまりにも自分の両親が仲良すぎて…… それが当たり前って思ってたからさ……」
智「見た目に反して潤くんの方が、素直だったって事か……」
雅紀「潤も言ってた。翔は、お母さんの事もあって、人を信じたいけど、信じる事が出来ない。ジレンマに陥ってて、必要以上に人に自分の素を見せる事を良しとしない所があるって」
和也「他には何か話をしてくれたの?」
雅紀「色々親切な人達の事をね?」
潤『俺は、10年ちょっと女手一つで、俺と翔を育ててくれたの感謝してて。恋人がいたって…… けどさ世間の人ってそう思わないじゃん? ずっと同じ所に住んでるからさ。噂ってのはどんどん尾ひれをつけて違った事実に変わっていく訳。俺素直じゃないから反抗的な態度を取ったり…… 母さんに負担かけたくなくて、県立高校選んだんだけど、相手の人に『お前と上手くやる自信が無い。早く自立する方法考えたらどだ?』とか、言われるようになって。その人さ、母さんの家に住んでいる状態なもんだから……』
和也「二人が私立の高校に編入したのって?」
雅紀「親切な人達が自分の子供達に、その手の嫌味を言わせてたみたいなんだけど。翔の母親の事迄『とうの昔に新しい恋人作ったから、迎えに来ないんじゃないの?』って言われたらしくて…… 潤は我慢出来なくて喧嘩をね…… 同級生3人相手に」
智「3人は潤くんが、最初に手を出したって言ったかナンカしたんだ?」
和也「翔ちゃんの方にも、その3人喧嘩ふっかけて翔ちゃんも、我慢出来なくなって手を出した?」
雅紀「イヤ、出す寸前だった…… が正しいかな。翔には潤の母親の悪口を言って…… 今迄の溜まりに溜まった物が爆発したんだろうね? 教室で褒めたもんだから。一部の生徒は、教師に報告しに行ったんだけどさ」