蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第121章 色香を隠していても…12
翔『今日は厄日だ……』
そう呟いた翔ちゃん
オイラ達にとって Anniversary は翔
ちゃんにとって厄日なの? ってショック受けたけど…… 皆、涙と怒りを堪えてるのが分かった……カズが、オイラの手をギュッて。だから握り返してやったんだ
あくまで『客』と『店員』して、聞いている俺達。初めは怒りを抑えるのに必死だったけど、無表情で聞いている翔ちゃんの気持ちを思うと…… 思わずサトくんの手を握ると、握り返してくれて……
ごめんね翔ちゃん…… 俺達に聞かれたくなんかなかったよね? 全ての表情失くしたみたいに真っ直ぐ、前を見据えて聞いている翔ちゃんが可哀想で。ジュンにぃ、誰よりも真っ正直な人…… 怒りが抑えられなくなったのか、カウンターに…… 俺はギュッて手を握ったんだ
俺はこのまんまじゃ、何を言い出すか分からないと思ったから、手を洗う風を装ってカウンター内に…… マサキが右手をギュッてしてくれて、落ち着くことが出来たんだ
富永「俺、櫻井くんと仲良くなりたくて。ホントは櫻井くんの事が好きなのに、違う子が好きって言って…… 俺達と居れば、俺の事好きになってくれると思って……」
翔「アンタ馬鹿? 『好き』な相手を陥れておいて、それで仲良くなれる…… って本気で思ってんなら相当おめでたいよね? パン事件の後もクラスから浮くように仕向けたりさ、色々してくれたよね? そんな奴、好きになる訳ないじゃんか! ホントの事言えば? 9年前の万引き事件の時、俺が証拠の会話録音して、警察に突き出した事恨んでんだろう?」
富永「恨んでない! 鑑別所に入る事になって、親に見放されて『独り』がどんなに孤独か、櫻井くんの哀しみが分かったんだ。ずっと謝りたかった」
翔「その割りに、高校時代の仲間達に、お前の親父は、オレの親父の会社勤にいるんだよな? 連絡先教えなかったら…… とか、あの頃と同じ方法で聞き出しだしたり。何一つ変わってないじゃんか。最近の非通知の電話に、オレの後を付けたりとか、アンタだろ? ハッキリ言う。この先一生、アンタとは『お友達』にはならないから! いい加減にしてくれ! 警察にはつきださないでやる。だから今後一切……」
和也.智.雅紀.潤「今後一切、翔ちゃんに関わらないでくれ!」