蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第118章 色香を隠していても… 9
「データセーブをせずに…… 電源を切られたのが原因ですね」
開放的に…… 圧迫感を感じない様に
各部署パーテーションで、仕切られてドアが無いから……
今日はいつも使う喫煙室が空いてなくて、一つ上の階の…… 喫煙室に
これって…… 偶然じゃなくて必然……
あの後ろ姿は……
和也.智「翔ちゃん?」
あれから14年経ってんの。当然、大人になってる訳で……
けどさ
和也.智「翔ちゃん!」
思わず、サトくんと
思わず、カズと
呼びかけた背中、微かににビクッて
絶対…… 翔ちゃんだ……
電話置いたタイミングで、振り向いてくれないなら俺とサトくん、こっちから行くもん
絶対…… 翔ちゃんだ……
何でか振り向いてくれない背中…… いいよ。オイラとカズ、こっちから行くし……
正面に回って、その人を確認した瞬間
なんで?
和也.智(ハッキリいって、ダサい黒縁メガネ掛けて、まるで顔隠すみたいな感じで、目の半分まで伸ばした前髪してんの……)
オシャレとは言えな髪型してて……
和也「翔ちゃん…… だよね?」
智「名札…… 櫻井翔って……」
俺達の話を聞いてただろう……
翔ちゃん……
翔「勝手に他の部署に入ってきて何です? それに、僕は確かに名前は櫻井翔ですけど、お二人の思っている方とは別人ですよ?」
和也.智(……)
って、仰いますけどね……
何でか? 自分の存在を消したくて、そんなダサい髪型とか、メガネとかしてるんだろうけど
なんで? 自分の存在隠すみたいに、ダサくしてんの?
どう見ても
翔ちゃんじゃん
隠しても分かるんだからね?
俺には……
だって
色香隠しきれて無いじゃない?
どう見たって
翔ちゃんだよね?
隠しても分かるんだよ?
オイラには
だって
色香隠しきれて無いかんね?