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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第109章 花(華)の屋敷 番外編 4


 食事処 花屋敷

 ジュン「ばか! マサキさん! その量はっ! 塩一摘まみだって!」

 板前として大成しなかったというマサキ様のダメ出しを食らったという料理を、作らせたのが不幸の始まりだった

 花屋敷を纏める者として、板前の腕を確かめてから打診すれば良かったのだ

 私は、マサキ様に渡された作り方の書かれた紙を見ながら作業を見ていたのだが……

 マサキ「出来た!」

 私は、今の今まで気づいていなかったのだ。まさか……

 ショウさんが何も気付かず、綺麗に皿に盛り付けている姿は美しく

 ショウの美しき姿に…… 唇には赤い紅をさし、赤い着物を纏った姿は女と見紛う程の……

 ショウ様は、長い黒髪を頭の上で結び、女の様に…… イヤ女以上に女らしい美しさに……

 ジュンの叫びの意味を失念した結果

 パクっ

 カズ.サトシ.ジュン(う~……!) 声にならない声

 カズ「かっら! (辛い)ばかっ! ショウ様食べないでっ!」

 サトシ「なんでこんなに辛いっ! ショウ食べるなっ!」

 ジュン「気が付いてたのにっ…… 一摘まみだってのに一掴み入れるからっ! ショウさん食べないでっ!」

 マサキ「え、え? 一摘まみって……」

 そう言って、俺、塩を取って見せたんだけど……

 |全員《マサキ.ショウ以外》「それは、一掴み!」

 カズ「良かった…… ショウ様は口にしてない」

 サトシ「奇跡的ににな…… 気が付いていない」


 何だ? 皆して。私に食べるなって叫ぶから、食べ損ねたではないか! それにしても、皆何で怒ってるのだ? さっきから水をガブガブ飲んでるし? 

(フン、私を仲間はずれにしおって! 許さぬ! 俺だって食べたいのだ!)


(あっ!)

 パクっ

 ショウ(う~)

 ジュン「ショウさん!」

 サトシ「ショウ!」

 カズ「ショウ様!」

 マサキ「ショウ様?」

 カズ.サトシ.ジュン「マサキ! オマエも食え!」

 パクっ

 マサキ「(う~)、ゴホっ、ごめんなさ~い!」

 ショウ「板前交代っ! ジュン! マサキ様は接客!」


 こうして

 花屋敷は

 華の色で

 彩られて行くのだろう……




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