蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第84章 花(華)の屋敷 2
サトシの部屋
ショウ「サトシ、頼んだ事に抜かりはないな?」
サトシ「あぁ、心配いらねぇ……」
ショウ「なぁ、サトシ……」
サトシ「ダメだ! それだけは!」
ショウ「……まだ何も…… オヤジさんの代からサトシの代になったのだから…… それに、私だけそんな我儘が……」
サトシ「オヤジ云々ではない、私もソコは譲れない!」
ショウ「……ガンコ…… 分かった。けど、私は覚悟は出来ているのだ」
──
サトシ「全く…… あの御方は……」
あり得ぬ事を……
尊く美しい方を……
華を汚すなど
サトシ「ショウ…… 客をなんぞ…… あってはならないのだ……」
ガタっ
サトシ「誰だ?!」
先程から感じる何者かの気配……
カズ「あの……」
あぁ、迷い犬か……
《猫では無い。目の前の男…… 柴犬》
だが、可愛いらしい風貌とは真逆の
切れ者な雰囲気を感じる……
この男の出現に何故か…… 心ザワツキ
何か事が起こる前触れではないかと
漠然と感じたのだ……
ショウ……