第16章 お巡りさん
とりあえず朝ご飯を食べ、身支度をする。
( 明日、道に迷って仕事の時間に遅れたら困るから、もう一度場所確認しに行こう。その帰りに万事屋に寄ってみよう。)
(良かった…これで道に迷う事は無さそう)
ももは無事に喫茶店へと辿り着いた。
『さてと、ここから万事屋に行くには……』
男1「見ない顔でさァ、地図なんか持って、迷子ですかィ」
『えっ、いえ、地図があるので大丈夫です!』
男2「おい総悟!何やってんだ」
総「土方さん、こんな所に迷子の子猫ちゃんがいたんで、連れて行こうかと」
土「連れてくって、それナンパだろ。仕事忘れんな!」
『あの、大丈夫なので……』
総「あれ、この地図万事屋じゃねぇですかィ」
土「あ?…チッ。面倒は御免だ。行くぞ総悟」
総「土方さん、困っている市民を助けるのがお巡りさんの仕事でさァ」
『いや、だから大丈夫……
土「…ったく、仕方ねえなあ」
( え?この二人、私の話聞いてる?!)
土「乗れ」
『………………』
有無も言わさず、パトカーに乗せられる。
(ていうかパトカーとかあるんだ、江戸って栄えてるんだな………ていうかこの人達、この間桂さんを追いかけてきた新撰組だよね?)
『………………』
『………あの、なんでしょう?』
総悟と呼ばれる青年が、ニコニコしながら、ももをじーーっと見つめている。
( 可愛い顔だけど、なんか恐い………)
総「君、何処から来たんでィ?」
『えーと、』
( やばいかも。私の素性が知られたらどうなるんだろう?あ、でも逆に守ってくれるかも?いやいや、それは無いか。ていうか桂さんと居ることがバレてもまずいよね?いやでも今から逃げても絶対怪しまれるし、どうしよう…………)
総「何か言えない事でもあるんですかィ?」
(まずいよ………何て言ったらいいか分からないよ……!!)
「おーーーーーい」
…………………(ん?なんか外から声が)
「おーーーーーーーーーい」
総「土方さぁん、スピード上げてくだせィ」
銀「おいコラーーーーー!!!!」
横を見ると、スクーターに乗った銀時がパトカーと並走していた。