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【銀魂】強くて臆病な貴方と《桂小太郎》

第1章 出会い



強くて臆病な貴方とー








私は必死に逃げていた。
しばらく、走り続けた。


どれほど走り続けただろう。
気付けば辺りは真っ暗闇だった。


(ここまで来れば、きっと大丈夫…)

足を止めたと同時に、意識は遠退いていった。









「……ん?
人が倒れているぞ。」













『………ん…』

意識を戻すと、目の前には見知らぬ天井。
身体の上には布団が掛けられている。

(え……?
私、あのまま気を失ったんだ…
ここは、どこ……?)






「目が覚めたか」




(え?)




男の声が聞こえて、足音が近づいてくる。




『誰!!!??』

驚いて飛び起き、後ずさりする。



「おい、怪しい者を見るような目で見るな。
お前が道のど真ん中で気絶していたから
助けてやったんだぞ。」


『す、すみません…。
ありがとうございます………』


『えっと……』


「どうしてあんな場所で倒れていた?
何があった?襲われた様子は無いようだが」


『それは…』




「言えないか?覚えていないか?
どちらでも良いが、身体が大丈夫ならば、
自分の家に帰るが良い」




…………………







「…なんだ?本当に記憶でも失ったか?
俺の言葉が聞こえるか?」




『……すみません。
私、帰る場所が無いんです……』












外はまだ真っ暗な夜で、
風の音も無くとても静かだった。









「困ったな。帰る場所が無いか。
何処から来たかも言えないのだろう?」


『はい…』




色々と質問されたが、何処から来たのか、
何故気を失うほど走り、逃げてきたのか、
言うことが出来なかった。




『ご迷惑お掛けして、すみません…
お話しした通り、今、私には帰る場所がありません。
ご迷惑なのは承知ですが、夜が明けるまで
ここに置いてもらえないでしょうか?』



「………………………」





(やっぱ駄目かな………)





「いいだろう」





(…!)




『ありがとうございます!!!!!』






(よかった……これからどうするか、
朝までに考えよう)




「お前…は、名は何という?」



『え………?』
(名前くらいなら良いかな)

『ももです』

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