午後のひととき ~tea time lover~ *イケ戦*
第1章 珈琲慈光
「まさか戦国時代で珈琲が飲めるなんて思わなかったよ。ありがと、佐助くん」
「どういたしまして。タンポポ珈琲自体は現代でも作れると思うけど、今ほど空気も土も綺麗じゃないからね」
タンポポ珈琲を二人で飲みながら、が作って来てくれたお団子や、おにぎりを食べて桜を見上げて愛でる。
こんな時代じゃ、来年の確約どころか明日の約束も定かじゃない。
今のこの瞬間を生きていくしかない。
生きていくには、希望も必要だ。
その希望が『約束』なら。
「」
「ん?」
不意打ちで唇を掠める。
来年も、二人でお花見しよう。
そのために死んでもを護るし、俺だって死んでも死なない。
桜吹雪に隠れて、を抱きしめながらそう誓った。
完