第4章 こんな日常の方が嫌
昼休みのことだった。
「紗希」
廊下で紗希を呼んだのは、神田だった。
神田は紗希の彼氏的存在だ。
両想いなのかはまだ分からない。
「零、噂で聞いたよ。爆豪と入れ替わったんだって?」
「うん!雄英はスゴかった……」
意外とアニメ好きな神田と話が合うようになった。
「ヒーロー基礎学の戦闘訓練で勝ったよ」
「ええ!?まぁ、爆豪の個性だもんな」
「楽しかった!」
私はチラッと紗希を見た。
私が居ると、神田と紗希は普通に話せるんだ。
「紗希って、可愛いよな」
「うるさい」
なんかキューピッドにならなきゃいけないような使命感を感じる。
私は幸せそうな二人から離れて、綾香のところに行く。
「どうしたの?零」
「いや、あの人達幸せそうだから逃げてきた」
「本当に噂通りだね……」
綾香が呆れた顔を浮かべていた。
私は綾香と他愛ない話をして過ごしていると、チャイムが鳴った。