第2章 chapter 2 -Transaction-
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あの後、バレることなく3人を送ることができ、約束通りアメリーに代わって3日間 彼女の業務を行っていた。
・・・ちなみに彼女は病欠。
無断欠勤になると理由が記録に残るが病欠になると記録が残らない。
そうサボっている兵士は少なくないと彼女は言った。
自分の仕事と彼女の仕事、訓令兵団の統括など忙しなく過ごしていた最終日。
わたしはある報告書をまとめるために自分のデスクについていた。
『・・・あー!終わらない!何、この量は!!』
わたしは盛大なため息をつくと窓の外に目を向けた。
あの夜の3人の・・・いやリヴァイの背中が頭から離れなかった。
なぜか手を伸ばしたくなり触れたくなったあの衝動が未だに胸の中で疼く。
・・・今度会うときはどういう顔をして会えばいい?
いや、次も会えるのか?
わたしと彼は立場も違えば住んでいる場所があまりにも違いすぎる。
コンコン
そんな思考を遮るかのようにノックが鳴った。
『どうぞ。・・・?アメリー?どうしたの、そんな息切らして。何か飲む?てかどうしたのよ?』
そのノックの主はアメリーだった。
かなり急いできたのか息を切らしながら断片的に話を始めた。
「・・・ハンナ。もう知ってるかもしれないけど・・・」
『ん?なに?』
「例のゴロツキ・・・調査兵団に入団が決まったって話よ。」
『・・・・え?』
すっかり忘れていた。彼らが調査兵団預かりになっていたことを。
そんなケースは初めてだったので何をするかは気になっていたがまさか調査兵団に入団させるなんて。
「今日、兵舎に移るってさっき聞いて。そろそろ迎えの馬車が来るって聞いたからハンナに知らせないとって。」
『・・・あ、ありがとう。』
わたしの中で自問自答を繰り返す。
憲兵が捕まえられなかったから?
・・・だから兵団経験もない彼らを調査兵団に?
でもなんで彼らがそれを了承したの?
「行って止めれるもんじゃないかもしれないけど知りたいのであれば行くべきだと思うわよ」
わたしはアメリーの方に視線を動かす。
彼女の目は真剣だった。
『・・・教えてくれてありがとう』
先ほど悩んでいたのがウソのようにわたしは走り出した。