第1章 初めての恋文
主
脇句を詠むのは得意なのだが やはり文となると難しいね
主は最近また忙しそうだね きちんと睡眠は摂っているのかい
また寝ずに仕事をしているなんて事は無いだろうね
心配のし過ぎは良くないと燭台切にも言われたんだが やはり君の事となると僕は心配の種が尽きそうに無い
僕が打たれた後世の世の物書きは 愛を面白く例えたらしい
知っているかい 今宵の月は満月だよ
きっと君は空すら見上げる余裕も無い程 僕達の為に資力を尽くしてくれているのだろう
だが 叶うなら空に浮かぶ月を共に見上げて欲しい
そして願わくば 聞いて貰いたい
僕のこの気持ちが届くようにと祈り
君にこう告げよう
月が綺麗ですね と
君が愛おしくて堪らないよ
歌仙兼定