第3章 あの夏の日の男の子
電車で目的地の駅に到着したのは良かったけどそこからどう行けば良いのか分からなくて周りを見渡しているとタクシーを見つけてタクシーに乗った。
「お嬢ちゃんどこまで行く?」
『焦ちゃんのお家まで!』
「しょうちゃん?」
『えっとじゃあ…おじちゃん、エンデヴァーのお家分かる?』
「エンデヴァー…?あぁ、前に乗せたことあるから分かるよ」
『じゃあそこ連れてって』
「お嬢ちゃんエンデヴァーのファンなの?」
『ううん、焦ちゃんが好きなの!』
タクシーの運転手のおじさんと噛み合わない会話をしながらタクシーは焦ちゃんのお家に向かっていく。
もうすぐ焦ちゃんに会える、私は胸をときめかせ焦ちゃんを思いながら窓の外の景色に想いを馳せる。
タクシーに乗った割には駅からそんな離れていなくてすぐに焦ちゃんの家に着いた。
「お嬢ちゃん着いたよ、1250円ね」
私は言われた金額を払ってタクシー降りて焦ちゃんの家に入ろうとした時、私より少し年上のお兄さん2人とお姉さんが焦ちゃんのお家から出てきた。
私はとっさに電柱の陰に身を隠した。
お兄さん2人とお姉さんが私に気づくことなく歩いて行ったのを見て少しホッとした。
あの3人はどことなく焦ちゃんと見た目が似ていたなぁなんて思いながら、焦ちゃんの家の呼び鈴を鳴らす。
すると焦ちゃんが出迎えてくれた。
焦ちゃんの顔を見て私は内心少し安心した
『焦ちゃんと遊ぶの楽しすぎてまた来ちゃった。
今日は誰にも言わずに来ちゃったからあまり長い間ここにいれないけど、一緒に遊ぼう!』
「誰にも言わずに来たって…大丈夫なのか?」
『大丈夫大丈夫!夕方までには戻るから』
「分かった。じゃあまたヒロバトやるか?」
『うん!』