第3章 弱点
「…………はぁ、わかりました
ひとつだけ思い当たるところがあります」
「思い当たるところ?」
「前、部活仲間にイタズラされたときに気がつきました」
黒子くんは、私との間に挟まれていたお弁当箱をまとめて下に置くと
ずいっ、と私に体を寄せる
「ん?実践すんのッ!?!?!?」
「そんなことしませんよ………
ちょっと触るだけです」
私の髪の毛をかき揚げて、
手を伸ばした
「例えば…………
___耳、とか」
「___ッ!!!!!!!」
そっとと耳を触られただけなのに、手足がしびれるような感覚に陥る
息を思わず詰まらせると、黒子くんは手をすぐ離して、隣でクスクス笑い出す
「変態彩空さんでも感じたんですから大丈夫ですね、相手の方もびびります」
「な………それはどういうことだよ………」
さぁ?
なんて意味不明な、深い意味のこめられたような笑顔
あー、くっそ………顔みたいメガネ……………
「彩空さん、お昼はいつも誰かと食べてるんですか?」
「ふう………こんな変人と食べてくれる人いると思う?」
私は、友達がいないわけじゃないけど
特定の付き合いの友人もいないため、常にあぶれてる状態
私自身も、そしてクラスの人たちも気にしてないからいいけどねー
「変人は自覚済みですか」
「黒子くんなに?さっきからつっかかってくるけどさぁ………
襲わr「これからお昼、一緒に食べませんか?」」
う、言葉遮られちゃったけど
「え、本当?」
「はい」
黒子くんにはいろいろお世話になったし………
「よ……喜んで!」
私には、断る理由なんてなかったんだ