第14章 青峰 大輝
『なーんてね、はっ!!』
青峰が動きを止めた一瞬の隙をついて、シュートを決めた。
青峰「・・・くそ、今のはひきょーだぞ。」
『あはは、まさかそんなに反応してくれるとは思わなかったよ。』
あははと笑ったあいつだが、すぐにその笑顔は消えた。
『・・・やっぱり、あの頃のようにはいかないんだね。』
青峰は何も言わなかった。
青峰「・・・ま、お前に会えてよかったわ。」
そう言って、あいつの頭に手をのせる青峰。
その時のの顔は、とても辛そうで、嬉しそうで、オレは無性に腹が立った。
「(・・・なんだよ、この感じ。イライラする。)」
帰ろうとする青峰を止めた。
「おい、待てよ!まだ勝負は・・・!」
青峰はオレの言葉を無視し、その場から消えた。
今は青峰に勝てる気はしねぇーてことはわかる。だが、それよりオレの頭には、あいつ・・・のあの話が気になった。
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『ふーーー、疲れたーーー。』
久々に誰かの相手をした。
いつもは一人でこそっと練習してるからなー。
脱いだ上着を着て、袋を持とうとしたとき、火神君に声をかけられる。
火神「・・・足、治ってるんだよな?」
『うん。・・・見てたでしょ?バスケだって一応火神君に負けないくらいできるんだからっ!』
そう言っても、あまり納得していない様子。
『・・・大丈夫。もう試合に出るわけじゃないし、こんなけバスケができるからいいの。』
火神「っ、じゃあ完治してない・・・のか?」
『・・・そりゃ、事故前には戻れないよ、さすがに。』