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Cherry-pick【名探偵コナンR18短編集】

第13章 好きだと言うのは難しい【服部平次】


晩御飯にオバチャンのてっちりを食べて。お風呂も借りて。(平次ん家のお風呂ってめっちゃ広くて気持ちええんや!)


「ちゃんはここ使てなー」って言われた和室で、勉強道具を広げて平次を待つ。


昔はこの部屋で平次とよう一緒に寝てたなぁ…… って。懐かしい記憶が蘇ってくる。ここはお昼寝の部屋やった所や。

昔の平次はほんま可愛かったのに……それが今は剣道やら探偵やらでチヤホヤされて……天狗になってる。

せやけど剣道してる平次も、事件を解決した時の平次も、キラキラしててカッコええんやってなぁ……

あかん。全然勉強が頭に入ってこーへん。


「ー、おるんか?」

「お、おるよー!」

「入るで」


モヤモヤしてる所に平次が部屋に入ってきた。

ドカッと隣に座られて、平次からお風呂上がりのええ匂いが漂ってくる……


「どれ?ちょっと見してみ」

「う、うん……」


解きかけの過去問のプリントを取り上げられた。
平次はそれをふんふん言いながら見て……「ココ、間違うとるわ。コレがこうで、こうや」とか「このやつはよう出るで、ちゃんと覚えときーや」とかなんとか……

久しぶりに平次に勉強教えてもろたけど、やっぱり平次の教え方は的確で分かりやすい。

サクサクと残りの問題もこなしていって……用意してた過去問はスグに片付いた。


「やっぱ平次は頼りになるわー」

「せやろー?俺はアホとちゃうで」

「ほんま。アホはアタシやで……」

「おうおう。もやっと分かったか」

「うん……」

「……どないしたんや。今日はえらい謙虚やな……それによう見たらも色っぽい寝巻き着るようになったんやなぁ……」

「寝巻きって……そりゃアタシもいつまでも子供やないもん」


たしかに今日は、ジャージとかTシャツに短パンとかやなくて、可愛いパジャマや。平次に見られるかもしれん、ってことも、実は考えた。


「でもアレやの、が歯向かってこーへんのは張り合いがないっちゅーか……腹でも壊したんか?大丈夫か?」

「平気や。なんでか分からへんけど平次には反抗してばっかりやったもんなぁ。思ってもない事言うてしもたりな……反省してるんよ、色々」

「そ、そうか……」


まともな会話なのに、すごくぎこちなく感じるのはアタシだけか。
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