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Eve innocence 【D.gray-man】

第5章 赤の記憶




イブが俺の目の前から消えてから
俺はずっと夢で苛まれていた。


「俺のせいで…イブは…」

目の前で出てきては消える少女の残像…


(パチッ…)

「夢か…俺だけ生き延びちっまった…」
無意識に彼女からもらった指輪を握りしめる。

「くっそ!!早くここから出ねぇと…」


そんな焦燥感に駆られながら過ごし時は過ぎていった。
運命的な出会いをしながら……



…………………………………………………………………


最近、入ってきた新入りに犬を連れたおかしなピエロがいる。
俺にやたら突っかかってくるのだが嫌な気はしない。


実際、イブのいなくなってから心にポッカリ穴が空いたように抜け殻と化していた。


そして、俺はよくピエロの犬と遊んでいた。

(ワンッワンッ!)

「なんだよお前か。どうしたんだ??」

(クゥーーン)

赤腕がコジモからお仕置きを受けて
裏手玄関で休んでいると犬が掛けてきて
赤腕の醜い手に近づき労わるように舐め始めた。

「お前で俺の腕を触ってくれるやつは2人目だ…」

(ハッハッハッ)
犬は嬉しそうに尻尾を振っており、
今度は赤腕の服の裾を引っ張り外に連れ出した。

その後、ボールを持ってきた犬と一緒に遊んだ。



そんな次の日の夕方
夕方気がつくとピエロが裏庭で土を掘っていた。

「そんな所で土なんか掘って何して……ッ!!!」

ピエロの足元に横たわっていたのは
行動を共にしていたはずの、昨日赤腕と遊んだ犬だった。


「なに…そいつ死んだのか?」

「そうみたいです。」

「コジモの奴だ!!あいつ!自分より客から評判がいいといつもこうなんだ!!!くっそ!!くっそ!!許さねぇ!」

「憎しみの心を持ってはいけませんよ。」

「なんでだよ?お前そいつといつも一緒だったじゃんか!なんで泣かねぇんだよ!悲しくないのかよ!!」

「死ぬほど悲しいです。」(チーン)
いきなり首を吊るピエロ

【こいつ、やばい。⠀】

「なんでですかね。僕泣けないんですよ。」

「訳わかんねぇよ!昨日こいつと遊んだんだ。そしたら俺のこの醜い腕を舐めてくれたんだ。あったかい舌してた…ッツ!なんで…ヒック…それだけの俺が…ヒック…こんなに泣くんだよー!」

そんな赤腕を表情を変えないピエロは見つめていた。

【そうですか…君はアレンのお友達だったんですね…⠀】
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