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満開桜

第29章 記憶 全員 甘夢


キキーッ、キャーッ!!ドンっ!
通行人『おい、救急車!』
通行人『大丈夫ですか!?』
「(なんか、色んなところが痛い気がするけど…どこが痛いんだろう…)」
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「んん…ここは…どこだぁ…ってか全身痛いし、何だっつーの…」
ガラッ
いづみ『めぐちゃん!!気分はどう?とりあえずお医者さん呼んでくるから待っててね!』
バタン
「…今の可愛い人、誰?」
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いづみ『先生、どういうことでしょうか?』
医師『いわゆる記憶喪失の状態です。いくつか種類がありますが、今回は部分的に欠落しているようです。話の様子では今の場所に来る以前のことは覚えているようです』
いづみ『そんな…記憶は戻りますか…』
医師『個人差があります。すぐに戻る人、この先ずっと戻らない人。一概にはお伝えしかねます』
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めぐは大事をとってあと2日は入院となり、その日の内に団員全員に話をした。
いづみ『みんな、めぐちゃんが事故に遭ったのは知ってるよね。赤信号を無視してきた車に撥ねられたの。怪我は幸い、打撲や擦り傷だけなんだけど…記憶がないの。それもこの劇団に来た頃の記憶だけが…』
全員が絶句した。どうして…それを言ったところでどうにもならないことはわかっているが、感情のやり場がない。
左京『めぐはどこまで知ってるんだ』
いづみ『一応この劇団に入った経緯は理解してくれたみたいです。あとの2日はゆっくり話そうと思ってます。』
左京『わかった。すまないが、頼む。お前らは面会には行くな。今行けば混乱させるだけだ。ここに帰ってから再度説明をするまで全員待機だ。わかったな』
全員が不服そうだった。めぐの様子が気になるのに面会にも行けない。だが行ったところでという左京の話も一理ある。複雑な感情を抱えたまま全員が2日間を過ごした。
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