第22章 イヤーカフ 摂津万里 甘裏

「万里、お揃いとか嫌がりそうなのに」
万里『どーでもいい女とお揃いなんてしねぇよ。お前だけだ』
「ふーん、でもありがと！万里とお揃い嬉しい！」
万里『ん、お前はそーやって素直にしてりゃいいよ』
「でも、もらってばっかりで悪いな。今度何かお礼するね」
万里『別にんなこと気にすんな』
「ん〜」
万里『…どうしてもってんなら、今してもらうかな』
「今？」
万里がめぐの後頭部に手を添えて鼻先を触れあわせながら艶のある声で囁く。
万里『そのお礼の気持ちを身体で表現してくれよ』
「身体って、ん！…はぁ、…んん…」
反論しようとした矢先に万里に唇を塞がれる。そのままベッドに押し倒されたが抵抗のために両手を突っ張ったが効果はなし。その手は万里のシャツを掴むだけになってしまった。
万里『はぁ、…もうそんな顔してんのか？まだこれからだぞ？』
酸欠寸前まで追い込まれためぐはもう反論すら出来ず酸素を取り込むのに必死だった。
万里『ホント、無意識にそうやって煽る天才だよな…』
「ぁ、…耳、やだぁ…はぁ…」
耳元で囁かれているだけなのに腰が砕けそうになる。舌で耳の輪郭を舐め上げ、水音がダイレクトに聞こえて腰が甘く疼く。
「ん、ぁ、…ん…え？…」
耳に何か違和感を感じて触ってみると万里がくれたイヤーカフが右耳に付いていた。
万里『なぁ、アクセサリーを女に贈る意味知ってっか？』
「…なに…？」
万里『お前を独占したいって意味だよ』
いつのまにか部屋着の裾が胸の下辺りまで捲り上げられている。それに気付いためぐが万里の手を押さえようとするが、万里はそれを待っていたかのように口角を上げ不敵に笑う。なぜ笑ったのかわからず混乱していると両手を頭の上で拘束された。
万里『お前、すぐ隠そうとすっからな。だからあえて半端に脱がした。』
ハメられた。そう気付いためぐが怒ろうとした瞬間、万里の顔が下がる。同時に胸元を舐め始めた。急な快感にめぐが声を上げそうになるが唇を噛み締め堪えた。
万里『その表情、たまんねぇな。好きだわ』
「はぁ、…ぁ、万里、の…バカァ…」
悔しそうな表情なのに目は潤み頬は紅潮している。万里は身体の奥底から湧き上がるゾクゾクとした感覚を覚えた。
万里『そうやっていつまで強がってられっか見ものだな』