第11章 珪線石の足音

俺が作る間も惜しいほどの空腹具合だったそうで、とりあえずは食堂飯……なのだが。
食べる、食べる……普段の三倍はもう食ってんなこいつ。

マジでこの身体のどこにこんな量の飯が入ってるんだ。

「リアちゃん、中也君に言ってなかったでしょ」

『ぷぃ』

「そっぽ向かないの、もー！ほんと無茶するんだから！」

要約すると、今の今まで俺に見せていた姿は軽く変化させたものだったそう。
というのも本人的にコンプレックスだったそうで、俺に子供扱いされるだとか……肉がついてなくて気味悪がられるだとか、そういう部分を隠してずっと生活していたのだ。

『おかわり』

「はいはいただいま。美味しい？」

『……中也さんのご飯が一番すき』

「家ついたら好きなだけ作ってやるからなあ♡」

確かに傷痕も目立たなくされていたらしい、結構ちゃんと大怪我の痕みたいになってるし。

「俺が嫌になると思ってた？」

『……』

こくんと正直に頷いたのを撫でてやり、もうするなよと約束させて、また食べさせて。

「うおっ、今日はいつもより食って……って首領！！？」

「おや、おかえり立原君。お疲れ様……いや何ね、リアちゃん今まで使ってた能力とか今全部解除してるみたいで、ちゃんとお腹が空いてるみたいなんだよ」

「は、えっ？おまえまだ何か使ってたの？？つーかなんか縮んだ？」

『餓鬼って思ってる』

「思ってねーわ！？歳相応だろ！！」

ふん、と俺に甘えてくる様子は可愛らしいのだが、肉は付いていないというかほぼ全てが胸に収束しているわ余計に華奢になったわ甘えてくるわ、いかんせん可愛らし＿＿＿＿

「あ？……おい、なんでおまえが驚いてる」

『……嫌がると思ってた』

「なんで俺がリアのこと見て嫌がるんだよ」

『だって魅力無いでしょ？』

「帰ったら嫌になるくらい教えてやるからなリアちゃん、覚悟してろマジで」

なんてところに合流してきたのは芥川。
蜻蛉達を送り届けてきたようで、例のものを首領に……リアに、返す。

「いかがいたしましょう」

『戻「リアちゃん？戻すのはいいけど身体ちゃんと元気にしてからね」なんで』

「だって君今治癒能力使ったら一週間は目覚まさなくなるでしょ」

『でも戻したら脚綺麗になるもん』

「おまえの脚は元から綺麗だよ、焦んな」

『リア先に元気になってもいい』

やっぱり俺か。