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スリザリンの非純血主義者

第1章 賢者の石


プロローグ 梟と手紙



その手紙は突然僕達に届けられた
───梟によって。

僕が読書をしていて、隣でシアンがテレビを見ていたその時、開けていた窓から突然梟が2羽入ってきて手紙を僕達にそれぞれ渡した。

シアンは紫色の瞳のぱちくりとさせながら驚いて梟から手紙を受け取る。


「ママー!フクロウさんがお手紙くれたよー!」


いつもより機嫌の良い声でパタパタと階段を駆け下りていくシアン。
子供部屋に取り残されたのは、僕と手紙を届けてくれた2羽の梟

じっと見つめるとフワリと羽を羽ばたかせ、1羽は僕の肩に、もう1羽は僕の頭に乗った。


「……重いよ」

«下まで運べ»

「ん。」


小さい頃から動物の声がわかる僕は(一般的にはパーセルマウスと言うらしい)渋々手紙を持ってフクロウ達を乗せたままゆっくりと階段を降りる。

たまたま自室からでてきたお父さんが僕の姿を見て「もうそんな時期か」と呟いた。

待ってお父さん。ふくろうが手紙を届ける時期なんて僕は今まで経験してきたことないよ。そんな時期あるの?


「あら、2人にも手紙が届いたのね……
ってマリルは何してるの?」


私の姿を見て少し驚くお母さんに乗られたことを伝えると苦笑しながら「大変ね」といった。


「私にも乗せて!」

「だって、乗ってあげてよ。」

«仕方ないな、乗ってやろう»


頭の上にいた方の梟がシアンの肩に飛び移ると、シアンは嬉しそうにフクロウを撫でながら笑顔を浮かべて「可愛い」と言っていた。梟の方も満更ではなさそうなので良しとしよう。


「とりあえず。貴方達には大切な話があるわ。」


お昼ご飯の時間帯だったので、お母さんが料理の乗ったお皿をテーブルに置きながらシアンと僕の顔を見る。

一体どんなことだろうと不思議そうな顔をするシアンは少しワクワクした様子で、私はシアンが楽しそうなのでどうでもいい。


「あなた達二人は9月から
ホグワーツ魔法魔術学校に通うことになったのよ!」

「「……は?」」


シアンと僕は同時にお互いの顔を見たが、シアンはぱあっと明るく笑って飛び跳ねながら喜んでいる。

え、嘘でしょ?
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