• テキストサイズ

ハリー・ポッターと闇の姫君

第8章 【対戦校のお出迎え】


 残されたホグワーツの生徒達は、今度はダームストラングの馬車はどれくらい大きいのかと噂し合った。

「う~ん、あのペガサス達より大きかったら、きっとハグリッドも手に余ると思う」
「それに、今は尻尾爆発スクリュートにつきっきりだしな。もし怪我でもしてたら扱えるかどうか……いや、怪我じゃなくてもしかしたら逃げ出していたりして」
「あぁ、止めて。そんな事考えさせないで。あんなのが校庭をうじゃうじゃしていると思うと……」
「尻尾爆発スクリュートってなんだ?」

 聞いたこともない言葉にクリスが反応した。ハリー曰く、ハグリッドがまた危険な生物『尻尾爆発スクリュート』なるものを孵化させたらしい。
 ハグリッドと友達じゃ無ければこんな生き物を飼育したいだなんて思わないほど、魅力のない生物だと言う事をハリーが語った。

 そんな事を言っている間にも、他の生徒達は空を見上げながらダームストラング校の到着を待っていた。風はだんだん冷たくなり、耳が寒さでジンジンしてきた。クリス達4人は、身を寄せ合って寒さに耐えた。
 ここまで来たんなら、ボーバトンより派手な登場をしてもらいたい。それでければこんな寒空の中待ちぼうけを食らわせられているこっちがバカみたいだ。
 するとクリスの願望が叶ったのか、あちこちからざわめきが起こり始めた。

「ねえ、何か聞こえない?」

 ハリーが辺りを見回しながら言った。確かに、どこからかゴウン……ゴウンという低い音と振動が伝わってくる。ボーバトンは空からやって来たから、ダームストラングは地下からやって来るのか?そう思い始めた時、ハリーが「見て!」と言って湖を指した。
 ハリーの指の先で、湖にボゴボゴと泡が現れ、波がたち、湖面が揺れた。湖に住む巨大イカが現れた時だってこんなに大きく水面が揺れた事は無い。
 徐々に泡と波が大きくなり、湖面の中心が渦を巻いたかと思うと、そこから太くて黒い、柱の様なものが見えた。今度は丸ごと家が現れるのかと思いきや、それは巨大な船の帆だった。
 大きな船は徐々にその姿を月明りの元にさらし、やがてザバーッと大きく波を立たせその全ぼうを明らかにした。

「ほっほう!どうやら、ダームストラングのご到着の様じゃ!!」

 見た目のはしゃぎ様とは裏腹に、ダンブルドアは半月形の眼鏡の奥にあるブルーの瞳をキラリと光らせた
/ 305ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp