• テキストサイズ

不良君のおきにいり

第1章 最悪最凶


「……ろ……きろ……おい…おい!」

「!?…」


ベッドを蹴られ、飛び起きた。いつもと変わらない朝。眩しい朝日。


「…はよ。」

「ん…おはよう…。」

「菜月〜!早く起きなさーい!!」


別の部屋からお母さんの声が聞こえる。


「いつまでも春樹君に起こしてもらっててどうするのー!?」

「うぁぁ……うるさぁい…。」


朝から大きな声はやめていただきたい。


「おばさん、起きました!」

「ありがとー!いつもごめんね!春樹君!」

「…」(だから大きな声はやめていただきたい。と、言ったはず……言ってないや、思っただけだった…。)


私の名前は、佐野菜月。そして毎朝起こしに来てくれるこの人は、私の幼馴染の吉田春樹。春樹と迎える秋は、これで15回目。生まれた病院が同じで、お母さん同士が仲良くなった。性格や考え方まで同じな2人はすぐに意気投合した。


「…遅刻すんぞ。」

「…わかってる…。」


春樹の家庭は母子家庭。父親がDV男なため、春樹のお母さんが逃げてきた。そして私達と同じマンションに引っ越してきた。しかもお隣さん。


「…」


こんなに長いこと一緒にいるので、言えないことや見せれないものは、もうないわけで。


「おい貧乳、早くしろ。」

「殺す。」


ただ彼は、口も悪ければ喧嘩もするし、ピアスは両耳に3つずつ、髪の毛は金髪で、世でいう不良というやつだ。なのに頭は良いし、どこで勉強しているのか、といつも疑問に思う。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp