• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕


「他の刀もこんな感じなんですか?」

ジェイドの問いに肥前は首をわずかに左右に振る。

「刀には種類が有るし、刀工によって作風も変わる。刃文(はもん)の出方も同じものは無い」

「つまり似てはいるものの、ひとつとして同じものは無いということですね」

「そういうことだ」

ジェイドの確認のような言葉に肥前は同意する。

「オレをヒトに顕現させた人がオレの主だ。前も主がオレを探して戦闘態勢だった事から、仲間の男士を送ってくれた。今回もオレが居なくなっているのに気付けば探して、迎えに来てくれるだろう」

「ほぅ、きみには雇い主がいるということですか」

アズールが興味深そうに眼鏡のブリッジに触れながら聞く。

「雇い主…まぁそう言えないでも無いが…そういうことにしておこう」

審神者のことを説明するのが面倒になった様子の肥前は、それで会話を打ち切ろうとし、本体の刀の存在を消した。

「あ、消えた」

フロイドは短く言い、そして目的を思い出したようにほうきを手にする。

「それじゃ、タチウオくん、空を飛びに行こっか」

「…あぁ」

空を飛びたいらしい肥前は、フロイドの言に素直に頷いた。
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp