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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕


「おれが違う世界へ行ったのは、主の考えとして時間遡行軍が異世界からここへ移動してきて、おれがその移動の通路か何かに誤って入り込んでしまった、ということか?」

「うん、そう。勿論憶測でしかないけれど、でも今回の事を考えると合致するんだよね」

ところで、と雅はくるりと表情を明るいものに変える。

「異世界ってどんなところだったの?」

「あぁ…別にこの世界と変わりはないが…魔法が使える世界だった」

わぁ、と雅は驚き、興味深々に聞く。

「魔法?どんな魔法?肥前さんは魔法を見たの?」

「あぁ…見たというか…ほうきに乗って空を飛んだ」

肥前の答えに雅はうらやましがる。

「えぇー、ほうきに乗って空を飛んだ!いいなぁ、いいなぁ、私も乗ってみたかったなぁ」

「いや…あまり気持ちの良いものではなかったが…まぁ、乗せてくれたやつがなかなか変わっていて面白いやつだったが…」

その答えに雅は目を丸くする。

「え…肥前さんが他のひとの事、あれこれ言うの珍しいね。どんな人だったの?ほうきに乗せてくれた人?」

「おれが行ったところは何とかっていう学校で、変な仮面を付けた黒ずくめのおとこが学園長だった。その学校の生徒でフロイドとかいうやつが、おれに魔法を体験させてくれると言って…」

「はぁ!?」

肥前の話しを遮って雅は叫んだ。
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