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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕


「…主」

肥前が主こと雅に声を掛け、その少しためらう姿に雅は「私の部屋で話しを聞きましょう」と一緒に審神者部屋へ行く。



「どうぞ、座ってくださいな」

声を掛け、雅はお茶を淹れると茶卓を置いて湯呑みを置いた。

肥前はお茶をすすると、早速本題に入る。

「何故おれは今回、異世界に飛ばされたのかわかるか?」

「うん…私も時の政府にも問い合わせたんだけど、まともな回答はもらえなかった。つまり時の政府ですら異世界の事を理解していないと思う。肥前さんがどうして、そしてどうやって異世界へ行けたのか理由は全くわからないの」

雅は話しながら端末をくるりと回転させ、肥前のほうへ時の政府とのやり取りを見せる。

そこにはたった今、聞いた事と同じ内容が記されており、時の政府も異世界への行き方や目的を把握していないらしかった。

「だいたい、時間遡行軍がどこから表れるかもわかってないからねぇ…これは私の考えだけど、もしかしたら時間遡行軍はこの世界ではなく、別な世界からこの世界の歴史を改変するためにきているのかもね。それでこちらに来た時の入り口に肥前さんが入り込んでしまって、違う世界へ飛ばされてしまったのかも」

「あぁ…それだと納得出来る。あっちの世界に時間遡行軍が来たからな。主が和泉守たちを送り込んでくれなかったら、おれだけでは倒しきれなかった」

「どこにいるのか見付かればあと姿を見付けて引っ張ればいいけれど、それも出来なかったのよねぇ。既に時間遡行軍に囲まれていたから」

肥前は端末の画面を元に戻しながら言う。
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