第11章 死者の夢
イきすぎてもう辛いようで、泣きながら「もう限界」と懇願された。
了承のキスをしてローはラストスパートをかける。自分の欲望をの中に吐き出して、の中をいっぱいにすることに満足感を得る。
はまだ若いし、子供を作るには早いから本当は避妊するべきなのだろうが、一度を汚す快感を知ったらもう避妊具は付けられなかった。
「、平気か?」
ほとんど失神して無意識に抱きついてくるを抱きしめ返してローはなだめた。
本当はもう一回したいくらいだったがさすがに午後からは診療所を開けないといけないし、も無理そうだ。休みの日なら容赦なく襲うのだが。
正直、海賊は辞めて正解だった。体の相性が良すぎて3日と我慢できないし、船の上でも自制が効かなくなっていた。
好きなときにに触れない生活になんてもう戻りたくない。
「……?」
返事をしてくれないは、どうやら怒っているようだった。
「……キャプテンはお医者さんなのに不真面目だよ」
仕事をさぼったことを言っているらしい。手術の予定だけはちゃんと守ってるからいいだろと思うのだが。
「医者がみんな真面目じゃなくてもいいだろ」
「怪我したときに、お医者さんが遊びに行っていなかったら困るよ」
「俺は遊んじゃいけないって?」
「そうじゃなくて」
拗ねては頬をふくらませた。
「ああ言えばこう言うんだから」
「海賊だからな」
「もう違うでしょ!」
の言い分を理解しながら、ローははぐらかした。口に出せない不安があるのだ。
(何だろうな、これ)
こうして手の届く所にがいて、コラさんとも一緒に暮らして幸福で仕方ないのに。
時折ふっと、すべてが幻のような空虚感に襲われるのだ。白昼夢のように、日常の中で刹那、おびただしい白骨の上にいる自分を見る。
ぬくもりを確かめるように抱きしめて、「キャプテン?」と不思議そうにされてもローは離さなかった。
(をまた失いそうで怖い……)
不安を口にすればは笑い飛ばしてくれるだろうか。でも疑いを口にした瞬間、全てが壊れるような世界の脆さを拭えなかった。