• テキストサイズ

【銀魂】酸っぱいぶどう【3Z】

第3章 1



あー、もう・・・

うるさい!
話が全然進まないじゃない!

内心イライラする。
これ以上聞くに堪えないと判断し、ウォークマンの再生ボタンを押した。
すぐに雑音はシャットダウンされた。
再生ボタンを押してから数秒後、ようやくクラスメイトと先生の茶番が終わったのか、銀八先生の合図で一人の女子生徒が入って来る。



・・・可愛い。

素直にそう思った。
目がぱっちりとしており鼻筋も高く、まるでモデルのような見た目の女子生徒だった。
先生が黒板に『黒田ナツメ』と名前を書いた。
彼女は照ればがら自己紹介をする。
本当はちゃんと聞いた方がいいのだろうけど、ウォークマンの停止ボタンを押す気にはなれなかった。

どうせ、私なんかとは縁のない子だ。


しばらくして自己紹介が終わったのか、彼女はあろうことか私の隣の席に座った。



よろしくね。



声は聞こえなかったが、口の形で彼女がそう言ったのが分かった。
私は小さく会釈をして、すぐに視線を逸らした。

彼女との会話は、これが最初で最後だろう。・・・とても会話と呼べるものではなかったけども。


その時の私は、そう思っていた。

/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp