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甘やかしてよ、トリュフ

第2章 生クリームを鍋で温めます



「すみません、こんなに朝早くから」
「いいのよ、私もどうせやることないから。ほら上がって」

私は男の子を招き入れた。彼はお邪魔しますと呟いてペコリと少し頭を下げた。頭を下げたって私より背は高い。

「秋也くん、背大きいんだね。何cmあるの?」

リビングに向かいながらそう尋ねると、彼はにっこり笑って答えた。

「去年の秋の身体測定では177でした」
「うわ、すっごい」
「今はもう少し伸びてるかもしれません」
「そうだよねえ、高校1年生って言ったら伸び盛りだもんねえ。あれ、1年生でよかったんだよね?」
「はい、もうすぐ2年ですけど」
「そうだよね、今が2月だから…あと2ヶ月で2年生かあ。あっ、コートかけるから、ちょうだい」
「どうもありがとうございます」

秋也くんはゆったりした動作でコートを脱いだ。手足が長いからか、動作一つ一つがサマになっている気がする。

「お願いします」
「はぁい」

渡されたチェスターコートをハンガーに通す。
うわあ、今どきの高校生ってオシャレなもの着てるんだな。それとも秋也くんが特別センスあるのかな?
町で見かけるオシャレな高校生っていうのはもっとこう、う〜ん何というか、高校生!って感じのファッションな気がする。

秋也くんのは同じオシャレでももうちょっと大人っぽい風だよね。それでいて背伸びしてる感じにも見えないし。

ウニクロのジーンズにプルオーバーをかぶっただけの自分が、一瞬ちょっと情けなく感じた。

「そうかあ、もう高校2年生になるのか。早いねえ、ついこの間中学校に入学したような気がする。あっこんな言い方したらオバサン臭いかなあ?」
「そんなことないですよ。有さん美人だから、全然オバサン臭くなんてないです」
「えーっやだーっ!そ、そうかな。うっふふ」

サラリとそういうこと言う?
うーん本当に高校生とは思えないなあ。このくらいの歳の子って、もっと話しにくいものかと思ってた。

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