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ただ好きなだけ

第3章 まさに行き当たりばったり


『約束のネバーランド』

私が昔好きだった漫画。
あと、アニメにもなったよね。動いてるのを見た時は感動したよ。

家族が大好きなエマに、そんなエマが大好きなノーマン、2人を助けるために幼い頃から1人で戦ってきたレイ。

なんて、すてきな友情。

なんて、すてきな家族愛。

農園、出荷、食肉、鬼、管理、養殖
不穏な言葉が並ぶなか、この3人が輝いて見えた。
可哀想だとも不幸だとも思わなかった。
私には3人が羨ましかった。
そう思うことになんの抵抗もなかった。だって物語の中でしょ?
これは本。これは作り物。これは物語。
そう思っていても、
いや、だからこそ、時々、こんな世界で生きたいと思う。
こんな地獄みたいな世界でもいい。
異世界の剣と魔法の世界でもいい。
ドロドロとした醜悪な憎悪が蔓延る世界だっていい。
とにかく、あの世界から、退屈な世界から抜け出したかった。

この世界のことを思い出したのは3歳の時。

前の、特に面白みのない、薄っぺらい内容の人生をおもいだした。
記憶の大半を占めたのは漫画やアニメ、ゲームのこと。
だいたい8割くらい。
あとの2割で、友達とか家族とか学校とか?
どうでもいいことばかり。
友達がいなかったわけじゃない。
普通に話の合う子と仲良くなって、どうでもいいことを喋ってた。
家族も普通。両親もいて一人っ子だから甘やかされてた。
何の変哲もない生活。

変わってたのは自分ぐらい。
いや、今のご時世、私みたいなのは沢山いたかな。
ヲタクで、厨二寄りで、世界を見下して、、、
自分を特別だと思っていたわけじゃない。
むしろ、特別じゃないことに絶望していた。
だから2次元の世界に逃げる。
転生したい。
トリップしたい。
生まれ変わりたい。
特別になりたい。
こんなことを考えてる人間はごまんと居たはず。

まあ、そんなわけで、

いわゆる前世を思い出した時は飛び上がるほど嬉しかったわけで。

自分の最期?死因?何故ここに来たか?

んなこと、知るか。興味無いね。
せっかくこんな面白い世界に来たんだ、死ぬまで好き勝手やらせてもらう。

傍観者?
悪くないけど、この世界で傍観者なんてやってたら、出荷早くなりそうだよね。却下。

協力者?
え?エマちゃん達の?え、やだ。
私、エマちゃん達よりイザベラさんの方が好きだし。却下。

てことで手探り状態で生きます。
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