第3章 ヒメタオモイ*
「さては恋、か?」
ニヤニヤさつき
きゅるんっと人差し指で宙にハートを描く
「そんなんじゃないけど…分かんない…」
「ほえええ!その話詳しく聞く必要がありますネ」
キラキラ目を輝かせて私を見つめる
言いたいけど、まだ言えない
『二人だけの秘密にしよう』
見蕩れるほど綺麗な兄の顔が
フラッシュバック
「ご、ごめ…」
ガラッ────…
言葉を遮るように教室の扉が開く
「はい、席につけよー」
おしゃべりタイムは終了。
先生が教壇に辿り着く前に椅子に着席
「私…待ってるから、
だからまだ聞かないでおく」
微笑みながらヒソヒソと伝えた
天使、だ
後ろめたい感情が余計に強くなる
「ありがとう」