第7章 Tip Off
まだ、何処かにいるかもしれない、と。
体育館へ侵入。
入口から真っ直ぐ。奥の廊下。
窓から外の景色をぼんやりと見ている少年。
首にかけているスポーツタオル。
探してた姿。征くんだ。
体育館内は熱気と歓声で溢れている。
「っはぁ……ふ、」
「璃依?」
振り向くと大好きな女のコ。
乱れた髪。息切れ。高揚した頬。
呼吸だけで。
璃依だと分かる。
「待ってたよ」
「璃依の事だから遅れてでも来るだろうって思っていたんだ。大丈夫だった?」
柔らかい笑みは崩さない。
変わらない純粋無垢な少年。
「あのね、ちゃんと間に合う時間だったんだけど…ファンの子に追いかけられちゃって、撒いてたら、遅くなっちゃって…」
「そう来たか。すっかり有名人じゃないか」
頭を優しく撫でてくれる。
懐かしい大好きな手。