第6章 脆い壁
──ペシン!
数時間前。
まだ朝日が頂点まで昇りつめていない頃。
下半身に衝撃。
同時に痛み。
「な、なに!?」
「今日征十郎の試合よ?
ダラダラしてないで早く行くわよ」
あれから、1ヶ月。
征くんとは普通の兄妹。口数も減った。
お互いに中に侵入しないように必死。
朝早くに長男は家を出た。
今日は全中の決勝戦。
「…行か、ない」
「何にもしたくないの」
征くんの事になると臆病。
弱い自分。
母は呆れた顔で沈黙。
「…お母さん、会場の場所は大体把握してるから、地図、置いていくわね。
試合はもう始まるわよ」
駄々を捏ねて動かない長女を放ったらかして
試合に遅れまいと出ていく母親。