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Vampire kiss(太輔)

第2章 想い


1週間後



俺はいつもの場所で、彼女を待っていた。



「あっ、太輔くん!」


彼女は俺を見つけると、笑顔で手を振った。



太輔「ちゃん、ハンカチ返すの遅くなってごめんね。助かったよ、ありがとう」
「いえ、こちらこそあの時はありがとうございました」
太輔「お礼はあの時、たくさん言ってくれたでしょ(笑)」



お互いの顔を見て、クスっと笑った。




「あの………太輔くんは、今日もこれから仕事ですか?」
太輔「うん、だけどまだ少し時間あるよ」
「だったら少しお話しませんか?」
太輔「えっ?」
「あっ、迷惑じゃなければ………」




頰をほんのりピンク色に染め、俯くちゃん



太輔「迷惑じゃないよ。じゃ、話ししよっか」
「ありがとうございます。では、この近くにいいお店を知っているんですけど、そこでどうですか?」
太輔「あ………お店はちょっと………」



ちゃんは驚いた顔をした。

そして直ぐに、申し訳無さそうに下を向いた。




「あっ、ごめんなさい。私ったら太輔くんとお話できるのが嬉しくて、つい………」
太輔「あっ、謝らなくていいよ。俺、仕事がら人が集まる場所とかに行けないだけだから………」




ちゃんがあまりにも申し訳無さそうにするから、どうしたものかと辺りをキョロキョロ見渡した。




そこで目に入ったのが公園だった。




太輔「あそこでもいいかな?」


俺が公園を指差すと、ちゃんも公園を見た。



「私は何処でも大丈夫です」


ちゃんはニコッと笑った。




ちゃんをベンチに座らせると、近くにあった自販機で2人分のコーヒーを買った。



太輔「本当はもっとオシャレな所とか連れて行ってあげたいんだけど………こんなのでごめんね」



そう言ってちゃんにコーヒーを渡した。




「私缶コーヒー好きなので、これで充分です」



コーヒーを受け取ると、ちゃんはふんわりと微笑んだ。


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