第5章 ヴァンパイア
ー太輔視点ー
木村さんから連絡が来た。
今夜、ちゃんが来ると………
俺はいてもたってもいられず、仕事が終わると直ぐにオアシスへ向かった。
オアシスに着くと、既にちゃんが来ていた。
「太輔くん!!」
ちゃんは俺を見て驚いた顔をしたけど、あの日の様に怯えてはいなかった。
太輔「木村さんに、今日ちゃんが来るって聞いたんだ」
「そうなんだ」
ちゃんはいつもの優しい笑顔を見せてくれた。
拓哉「それでここに来たということは、気持ちが決まったんだ」
「はい」
そう言うとちゃんは俺の方を向いた。
「太輔くん」
太輔「はい」
「もうひとりの太輔くんを見せてくれる?」
俺は少し戸惑ったけど、ちゃんにヴァンパイアの姿を見せた。
じっと見つめるちゃん
ふーとひと息はくと、ちゃんはニコッと笑った。
「うん、大丈夫。怖くない」
太輔「えっ?」
「初めてこの姿を見た時は、余りにも突然だったからびっくりして戸惑ったんだ。でも、もう大丈夫」
そう言うとちゃんは、俺の頬にそっと触れた。
「うふふ。やっぱり太輔くんは美人さんだよね。ヴァンパイア姿も綺麗だよ」
太輔「あ、ありがとう///」