第12章 遭遇
河川敷は静けさを取り戻し冬華は再び家へと向かい歩き出した。
(奴らラグナレクと自分で名乗っていたけど、おそらく末端ね。弱すぎるわ。)
(この前勧誘してきたオーディンとはまるでオーラが違った。ないに等しかったわ。それにしても……)
(……やってしまった)
先程の不利な状況が気になって仕方がなかったとはいえ、手を挙げてしまったことを冬華は後悔していた。
1度手を出してしまえばまた相手が仕掛けてくることを予測がついていたからだ。しばらく平穏な日々が失われることを察したのだ。
「また面倒なことに巻き込まれそうね。最悪だわ」
それでもめげずに冬華は平穏が保たれることを祈った。