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落花

第17章 落花




寒い…

震える身体を抱き締める。

不意に、唇に懐かしい熱を感じて


強引に引っ張られる身体。


なに、温かい…?


………


「…んっ……」

酷く懐かしい感じがして、眠りに落ちた身体が目覚める。

私の瞳に最初に映ったのは、

涙の滲んだ綺麗な青い瞳だった。


「アー……サ…?」

これはまだ夢?どうしてアーサーが居るの?


目の前にある、大好きだった青い瞳から大粒の涙が落ちて、私の頬を濡らす。


温かい…

そのまま全身を包み込まれる感触がする。


「アナスタシアッ…!」


泣いているアーサー。
貴方の泣き顔を見るのは初めて…


そんな貴方に強く抱き締められる。

まだ夢心地の身体

「アーサー…最後の夢で…貴方に会えるなんて…神様に、感謝…しなきゃ…」


消えるとき、せめて貴方の夢を見たいと願った。

せめて夢の中で、言えなかった言葉を伝えたいと思った。


「アーサー、わたしはあなたを愛してる…」


やっと言えた。これでもう思い残すことは無い。


ありがとう、もしも生まれ変わる事が出来るなら

私はまた貴方に会いたい。

今度は貴方だけを愛するから。



夢の中の貴方に微笑む。



「アナスタシア!」


貴方の声が遠くなる。



さようなら、おやすみなさい。


また会いましょう。






……愛しています。










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