第1章 人生なんてチョロい
もちろん中瀬、佐原達は綾瀬達サッカー部には話しかけられない。それはもちろんカーストトップだから、だけではない。自分が好きだった女の子と付き合っていた奴に、話しかけようなんて思う人は世界のどこを探してもいないだろう。佐原も彼の心情を読み取り、綾瀬が原を手放す事を待っていた。しかし、もう決まってないのは中瀬、原、佐原、そのサッカー部だけだった。ふと担任のヒステリーな声が聞こえる。「まだ決まってないのはそこだけなのよ?これが終わらないとみんな帰れないわよ。自分勝手に行動せず、早く決めなさい。」担任がそういうと、綾瀬は2人に向かってこう言った。「中瀬くんと佐原くんもこっちにおいでよ、一緒に決めよう?」淀みはなかった。はっと中瀬くんが何か言おうとしたが、やめ、2人は顔を赤らめながらサッカー部の元へ行った。おそらく、2人は彼らの話が綾瀬に聞こえていたことに気づいていたんだと思う。その後、黒板にはこう書かれた。
3班 男 中瀬、佐原、林田
女 笠原、夏川、田口
4班 男 嶋田、綾瀬、矢山、原
女 西山、小宮、加藤