第11章 認めた想い
迅「にしても…まさかあの叔父がお前をあの崖から…。失踪事件に絡んでるとは思ったが、まさかそんな事があったとはな……」
蓮「ケッ、どうせ邪魔になったクソガキを事故に見せかけて消したかったんだろ?」
迅「あのオッサン…許せねぇ…。帰ったら警察に突き出してやる!!」
蓮「ヤメとけヤメとけ、サツに突き出してブタ箱放り込んだって金積んですぐ出てくるよ。無駄な事すんな」
迅「無駄な事って…何だよソレ!?お前腹立たねーのか!?お前を殺そうとしたんだぞ!?」
あたしの言葉に今度は迅がキレた。
その顔は怒りと悲しみに満ちている。
(なんでお前が泣きそうな顔してんだよ…)
また泣き出しそうな迅にあたしは優しく笑って言った。
蓮「ゴメン、言い方が悪かった。お前はあたしの為に腹立てて悲しんでくれてんのに…ゴメンな?そりゃあたしだって腹立ててるよ、当たり前だろ?あたしを殺そうとしやがったんだ…腹立てるどころか腸が煮えくり返りそうだよ」
迅「だったら…!!」
蓮「けどいいんだ。仮にあたしらが向こうの世界に帰ってお前があたしを証人にあいつを警察に突き出せば、あいつは100%捕まるよ。けど、そしたらあいつは組の奴等を使ってあたしやお前…下手すると鉄先輩や瑠花にまで手ぇ出すかもしれない。あたしは別にいいけど、お前らにまで被害が行くのはあたし絶対イヤだ。お前…迅と鉄先輩と瑠花はあたしの大切な親友だ。だから絶対傷付けたくないんだよ……」
迅「蓮…」
それでもまだ泣きそうな顔の迅。
だから今度はニカッと笑って言ってやった。
蓮「大丈夫だよ!こっちの世界で鍛えてあいつより強くなって、あっちの世界帰ったら森に連れてって木に縛り付けてハチミツ掛けて虫共に喰わせるから♪」
迅「……………」
一同「「……………」」
あたしの言った事に迅だけでなく他のみんなまで青くなってる。
(これぐらいの報いは受けて当然だろ?なんでみんな青くなってんだ?)
みんなの反応が理解出来なくてあたしは首を傾げた。