• テキストサイズ

好きになってもいいですか。~声優さんと恋をしよう~

第5章 不安


すると

「どうしたんだ」

私はビクッとして
おそるおそる声のした方向へ顔を向ける

そこには…


『森…川…ヒクッ…さん…?』



声優界のトップを走り続けている

森川智之さんの姿があった

『どう、して…』

「君、梶くんの従姉だろう?」

どうして知っているのだろう

まだ涙が止まらない私に

「さっき、君が神谷くんに自己紹介していたのを見かけたもんでね」

と、説明してくれた

「何があった
アフレコ現場を見学していたんじゃなかったのか」

私の目線の高さまで腰を下ろして聞いてくる

『わ、私…っ』

さっきの感情を思い出し、また涙が溢れてくる

「すまない、今は喋れないよな
……いっぱい泣きなさい」

そう言って森川さんは
私の頭と腰を抱き寄せた

『!?』

私は驚いたが

「胸くらいなら、貸してあげよう」

その言葉を聞いて
抑えていた涙が流れ出した


『う、うう~っ…うわぁ~ん!!』

泣き始めたら止まらなかった


何十分も泣いていたと思う

その間、森川さんはずっと頭をなで続けてくれていた


ずっと不安だった


梶さんの隣は私じゃない

私が望んだとしても

永遠に叶わない望みだと分かっている

これは


恋じゃない
/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp