• テキストサイズ

【イケメン戦国】ほら、行くよ。

第3章 手と手



「美穂」

「んー?」

「はい」

「??...わぁ!からあげ!」


差し出した皿の上に、所々焦げた塊が5つ。美穂はそれを一瞬でからあげだと言った。

目が爛々と輝いて、食べて良いかと問われる。


美味しい自信は、まるでない。


「美味しくないよ」

「食べてみないことには分からないでしょう?」

「....吐いても知らないから」

「またまたご冗談を」


カラカラ笑いながら、からあげを1つ摘まんで齧りつく。

ガリッ


「ほら、やっぱり」

「んぅ~、まらまら...ッ」


ようやく噛み切って頬張ると、火通りが良すぎたのか余程堅そうに咀嚼を繰り返す。


「もういいよ、吐き出して」

「やら」

「吐き出せってば」

「やら」


口を覆った両手の隙間から、拒絶の声が漏れる。噛みすぎて顎が疲れるのか、だんだんと休む時間が増える。

それでも最後まで噛みきって飲み下すと、美穂の喉がしなやかにうねった。


「んふふ」

「不味いのに無理して食べなくて良いから」

「美味しかったよ?」

「.....お世辞、どーも」

「ホントだってば~」
/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp