第2章 海賊狩りのゾロ

「悪いのはモーガン親子よ‼少しでも逆らえばすぐ死刑でみんなびくびくしてるの」



　女の子が憤りの表情を浮かべる。








「ひぇっひぇっひぇっひぇっ‼頭が高ェっつってんだろ親父に言うぞ!!!」



　声がした方を振り向く。町を行き交う人全てが、土下座をして道路の脇で並び、広くなった大通りを、モーガン大佐の息子が、部下を付き従えて、闊歩していた。



「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?『三日後』にはゾロの奴を公開処刑にする‼
みせしめだ、楽しみに待ってろ」



「三日後？」



　ルフィが、モーガン大佐の息子の方を向く。



「一ヶ月の約束はどうしたんだ‼」



「なにィ？誰だ貴様どこで聞いたズが高ェな」



「そんな約束ギャグに決まってんだろっ!!
それを本気にする奴もまた魔獣的にバカだけどな。ひぇっひぇ～」



　大佐の息子は、盛大に噴き出しながら、骨張った人差し指で、こめかみを叩いた。頭の中で、ゾロの声が再生される。



『一ヶ月たえれば助けてやると、あのバカ息子が約束してくれた』