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こんなはずじゃなかったのに

第1章 1


「そういうことね」

「すみません。一度やってみたくて。お嬢様とおそろいの……」

お嬢様と同じパジャマを着たオレの腕に、細い腕が絡む。ガーゼの柔らかな肌触りが気持ちいい。

「おそろいだね?」

お嬢様がオレを見上げ、微笑んだ。

よかった。
子供じみたことをするな、と叱られるのも覚悟していたからオレは安堵した。

胸を撫でおろしていると、お嬢様に腕を引っ張られた。

不意をつかれベッドに倒れ込む。

起き上がろうとするオレの胸を、
お嬢様が押さえつけた。

「じっとしてて、川島……」

「は……い」

また予想外の流れになっていた。

計画では、お嬢様をベッドに寝かせてマッサージをして差しあげたあと、オレの手でお嬢様のパジャマを――。

困惑しながら、じっとお嬢様の動作を見守っていた。

「いい子」

やさしい声がして、髪をすくうように撫でられる。

隣に横になったお嬢様が、半身を起こしながらオレの胸のボタンに手をかけた。

おかしい。

計画とは真逆になっている。
どうしてこうなったのだろう。

思案にふけっている間に、お嬢様は片手で器用にオレの胸のボタンをひとつずつ外していった。

「お嬢様……」

開けられたボタンの隙間から手が忍び込んできた。

サクランボのような唇が近づいてくる。

唇に触れた瞬間、お嬢様の手がオレの胸をやさしくまさぐりはじめた。

「っ!……お嬢、……様……」

唇をついばまれながら、
残りのボタンをすべて外される。

あまりの手際のよさにショックを受けながらも、オレを責めるお嬢様の姿に興奮していた。

お嬢様の唇が下りていく。
温もりがオレの胸の上でとまり舌が這わされる。

猫のように小さく、濡れてざらついた舌の感触に肌が泡だった。

はだけられたパジャマの下で、お嬢様の手が動き回っている。指先が胸の突起をかすめていく。

「……ッ……ぁ!」

意に反して首がのけ反ってしまう。

「可愛い。胸が弱いよね、川島は。あ、首もか」

お嬢様が剥きだしになったオレの首にかみついてくる。

胸を責められつづけながら耳元で静かにささやかれた。

「私のバスローブ隠した……罰」

耳たぶを強く甘噛みされ、同時に乳首をキュッと摘ままれた。

「……!は……ッあ」


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