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【尾形】うちの庭が明治の北海道につながってる件【金カム】

第6章 月島軍曹2



 窓のない部屋は、通気口とランプからのわずかな灯りしかない。
 周囲に民家もなく、とても静かだ。
 真っ昼間だけど暗い部屋で、密やかな行為が行われようとしている(合意無し)。

 しかし、あいにくと今回は難易度が高かった。

「……っ」

 少し長い接吻の後、私は帯を解かれた。
 そして布を暴かれ、肌をあらわにされた。
 で、やはりというか、あちこちアザだらけである。

 薄明かりの中にもそれは見え、月島軍曹はハッと正気に戻ったらしい。

「――っ、お、俺は何を……!!」

 慌てて私から離れ、

「す、すみません、梢さんっ! 俺は、あなたに何と言うことを……!」

 あー、うん。ストレスがたまってたんじゃないですかね、軍曹殿。
 人間の皮でファッションを作るアレな男の世話をさせられ、気まぐれに振り回される。
 他にも鶴見中尉への連絡、鯉登少尉への電話応対、その他雑事が山ほど。
 遊女屋さんにいく暇どころか、ろくに寝てないんじゃなかろうか。
 そんな中で小娘の寝食の世話までしてたら、ムラッと来ることはあるわな。
 
 月島軍曹は顔を真っ赤にして私の着物を震える手で直した。
「こ、怖がらせて本当に申し訳ありません! 俺は別室で寝ますので……ん?」

 私から離れようとし、不思議そうな顔になった。
 私が、月島軍曹の軍服の裾をつかんだからだ。
 いたたた。まだ動かすと痛いが。

「梢さん?」

 ……ええと。こういうの、どう言えばいいのだろう。
 あ、あのですねえ。
 顔を真っ赤にし、何か言いたげにもじもじしている。
 すると月島軍曹は察したらしい。

「梢さん……まさか……」

 月島軍曹の手が、着物の中に入り込む。
 ごつい手が柔らかな腿を辿り――んっ……ぅっ。そこっ。

 くちゅっと湿った音がする。

 ……うん。恐怖はあるんだけど、さっきの刺激でちょっと濡れてた。
 私もたいがい、壊れてるんですよね。

「………………」
 
 月島軍曹殿、秘部に指を潜り込ませながら、超真顔であった。

「……梢さん、失礼ながら、もう少しご自分を大切にした方がいいのでは?」

 はい! 本日最大の『おまえが言うな』来ましたー!

 睨みつけると、軍曹殿は疲れた顔でちょっと笑った。

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